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千年の時を越え、再び世に現る
10月7日、中国嘉德香港2026年秋季セールにて、香港コンベンション&エキシビション・センターでオークション開始

虞世南は「初唐の四大家」の一人に数えられ、唐太宗が自ら認めた書法の師でもあります。唐太宗は「遠くは王羲之に学び、近くは虞世南に学ぶ」と称しました。虞世南は、王羲之から七代目にあたる智永の弟子であり、王羲之の書法を正統に受け継ぐ最も直接的な継承者の一人です。中国書道史において、虞世南は一つの時代を象徴するほど重要な存在といえるでしょう。
伝世する墨跡は極めて稀少 稀世の珍品、再び世に現る
《積時帖》はもともと清朝王室旧蔵の名跡でしたが、1945年、長春「小白樓事件」後にその所在が分からなくなりました。数十年にわたる流転を経て、現在では本巻の前題、冒頭の「積時」の二字、巻末の一部の跋文などが失われています。しかし幸いにも、《積時帖》の墨跡本幅と董其昌による題跋をはじめとする、最も重要な部分は今日まで守り伝えられてきました。
歴史上、虞世南が書した作品で記録に残るものは、およそ30点に及びますが、現在まで伝存し、その筆墨の姿を確実に知ることのできる作品は、わずか数点にすぎません。《積時帖》が世に現れるまで、虞世南の筆墨を実際に目にすることのできた伝世墨跡は、上海博物館所蔵の行書《汝南公主墓誌銘稿》ただ一点でした。

虞世南 《積時帖》
この《積時帖》は、虞世南が友人に宛てて記した私信で、末尾には「虞世南」と署名されています。寒冬の折、書き出しの「積時傾心」(長らくお目にかかれず、心よりお慕いしております)という言葉には、友を思う心情が表れています。続いて友人の近況を尋ね、歳末の厳しい寒さのなかで、その身の寒暖を気遣い、「歲陰寒重,願恒清約」(歳の暮れとなり寒さも厳しくなっておりますので、どうか常にお身体を大切にお過ごしください)と優しく言葉を添えています。さらに、自らについても「衰羸日甚」(日に日に身体が衰え、弱っております)と記し、老いと衰えを嘆いています。そして巻末に至っても友人の新作を気に掛け、「若有新製,願能示」(もし新しいお作がございましたら、ぜひ拝見したく存じます)と、新作を見せてほしいとの思いを伝えています。
わずかな行草の筆致からは、長年親しく交わってきた友人同士の敬愛と親密さが伝わってきます。本作を通して見えてくるのは、朝廷に仕える公的な書家としてではない、もう一人の虞世南の姿です。碑石への謹厳な書や、勅命を奉じて書した作品とは異なり、日常の中で自然に筆を執った、伸びやかでありのままの筆墨を見ることができます。
明・清両代の宮廷旧蔵 『石渠宝笈』著録
《積時帖》は、明・清両代の宮廷をはじめ、歴代の名家の書斎にも収蔵され、今日まで伝わる収蔵の経緯を明確にたどることができます。
本巻右下には、「司印」の半印が押されています。これは極めて高い文献的価値を有するもので、故宮博物院前院長の馬衡氏の考証によれば、明代内府の「典礼紀察司印」に用いられた専用の収蔵印です。同じ「司印」の半印は、王羲之《蘭亭集序》神龍本、范寛《溪山行旅図》、董源《瀟湘図》など、名だたる伝世名跡にも確認されています。

本巻に鈐される「司印」の半印
清に入ると、本巻は寧寿宮に収蔵され、皇室所蔵の書画を総覧した『欽定石渠宝笈続編』に収録されたほか、『清宮陳設檔』にも道光年間から宣統年間にかけて、複数の点検記録が残されています。乾隆帝は本巻に「乾隆鑑賞」「三希堂精鑑璽」「宜子孫」「石渠宝笈」「石渠定鑑」「宝笈重編」「寧寿宮続入石渠宝笈」「楽寿堂鑑蔵宝」など、数多くの鑑蔵印を鈐しています。また、嘉慶帝、宣統帝の時代にも、それぞれ「嘉慶御覧之宝」「宣統御覧之宝」「宣統鑑賞」「無逸斎精鑑璽」などの印が鈐されています。乾隆帝から宣統帝に至るまで、清朝歴代皇帝の鑑蔵印がことごとく備わっていることからも、本作が宮廷においていかに重視されていたかがうかがえます。
明代の大鑑蔵家・呉廷旧蔵
千余年にわたり、《積時帖》は中国古代における最高峰の収蔵家たちのもとで伝えられてきました。明代末期の大鑑蔵家・呉廷は本作を目にすると、深く心を奪われ、家財を惜しみなく投じてこれを自身の「余清斎」に収蔵しました。さらに原跡を『余清斎法帖』に模刻し、董其昌に改めて自筆の題跋を求めています。今日、『余清斎法帖』に収録されている《積時帖》の拓本は、まさに中国嘉德香港が今回出品するこの墨跡本を原本として刻されたものです。
呉廷は、中国書法の鑑蔵史において極めて重要な位置を占める人物です。その「余清斎」は、いわば小規模な書法博物館ともいうべきもので、王羲之《行穰帖》、王献之《中秋帖》、王珣《伯遠帖》、顔真卿《祭姪文稿》など、名高い晋唐の書法名跡が収蔵されていました。《積時帖》もまた、その中に数えられる貴重な一巻でした。
その後、余清斎の重要な収蔵品の一部は、相次いで清朝内府の収蔵となりました。なかでも《快雪時晴帖》《中秋帖》《伯遠帖》の三帖は、乾隆帝によって「三希」と称され、紫禁城・養心殿の三希堂を代表する至宝として収蔵され、後世にその名を伝えています。

董其昌自ら題跋を巻末に揮毫
本作が特に注目されるのは、明代を代表する書画家・董其昌から極めて高い評価を受けていることにもあります。董其昌は自ら巻末に題跋を揮毫し、本帖の精彩は《汝南公主墓誌銘稿》をも凌ぐと評しています。また、明代末期の大鑑蔵家・呉廷も本作を「縦而逸」(奔放で伸びやかな趣)と称え、晋人の風韻を深く備えたものとして高く評価しています。さらに、王羲之や王献之の貴重な法帖と同じように珍重すべき作品であるとしています。董其昌と呉廷という、書画鑑蔵史において重要な二人による評価は、《積時帖》の歴史的・芸術的価値を考えるうえで、極めて重要な意味を持っています。
久しく失われていた名跡が相次いで世に現れ、広く人々の目に触れる
21世紀に入って以来、隋人《出師頌》、王羲之《平安帖》、北宋・蘇軾《木石図》、李公麟《五馬図》など、長らく所在が知られていなかった名跡が相次いで再び世に現れました。それとともに、中国美術史の中に埋もれていた重要な一章も、一つひとつ明らかになってきました。そして今、《積時帖》の再登場は、こうした貴重な伝世名跡の系譜に新たな一作を加えるものとなります。
本作は、特別展覧会およびその後のオークションプレビューを通じて、広く皆様にご覧いただく機会を迎えます。観覧される皆様には、古の名家による法書の筆法を間近にご覧いただき、千年の時を超えて伝わる名跡の魅力を感じていただけることでしょう。
2026年10月7日、本作は嘉德香港2026年秋季オークションに登場します。世界各地のコレクターならびに書画芸術を愛する皆様に、稀世の珍品が再び世に姿を現す貴重な機会をご覧いただければ幸いです。

虞世南 《積時帖》
手巻 水墨紙本
画心:27 × 52.8 cm
董其昌題跋:27 × 8.8 cm
引首:27 × 53.5 cm
題識:(積)時傾心,非翰墨所具。歲陰寒重,願恆清約。政事之暇,故有賞心。世南衰羸日甚,但有困劣,未近展接,增其澘泣,深敬明德,信便願霑數字,慰其延首。賢子兵曹,具見朽弊,不陳萬一。虞世南呈。
十二月廿五日,若有新製,願能示。
董其昌題跋:此卷或疑米臨,然其斫筆處特為瘦勁,米書以態勝,不辦此也。王元美家有虞永興《汝南公主墓誌》,客亦有謂米臨者,元美自題曰:「果爾則買王得羊,於願足矣。」此帖則當出其右,具眼者自能識取。董其昌借觀因題,戊戌(1598年)長至日也。
《積時帖》鑑蔵印:「司印」(半印)、「紹興」、「楚國米芾」、「王延庚印」、「吳廷」、「不棄」、「江村」(半印)、「珍藏印」(半印)、「乾隆鑑賞」、「三希堂鑑藏璽」、「宜子孫」、「石渠寶笈」、「樂壽堂鑑藏寶」、「嘉慶御覽之寶」、「石渠定鑑」、「寶笈重編」、「寧壽宮續入石渠寶笈」、「宣統御覽之寶」、「宣統鑑賞」、「無逸齋精鑑璽」
引首(『石渠宝笈』著録《銭選観梅図真跡》手巻より引き継いだものと考えられる):神傳逸致。鈐印:「乾隆御筆」「乾清宮寶」「太上皇帝之寶」「五福五代堂古稀天子寶」「八徵耄念之寶」
中国嘉德香港 2026年秋季オークション
プレビュー:10月3日~5日
オークション:10月6日~8日
香港湾仔博覧道1号
香港コンベンション&エキシビションセンター 展示ホール1DE
中国嘉德香港2026年秋季オークションを下記の通り開催します。
•取扱品目:中国書画・陶磁器・工芸品・古代家具・現代アート・ライフスタイルなど
•下見会:10月3日(土)~5日(月)
•オークション:10月6日(火)~8日(木)
•会場:香港会議展覧中心展庁1DE
オークションカタログと実況はこちらのURLからご覧いただけます。
https://www.cguardian.com.hk/tc/auction/


中国嘉德 2026年嘉選九月オークション
• 下見会:9月17日(木)~19日(土)
• オークション:9月20日(日)~23日(水)
• 品目:中国書画・陶磁器・玉器・工芸品・印材・文房四宝・古代家具
• 会場:嘉徳芸術センター

中国嘉徳(香港)国際オークションの公式APPがリリースされました。
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